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P.N.M ピザのもりやま 森山陽介さん・貴世さんご夫妻

P.N.M ピザのもりやま 森山陽介さん・貴世さんご夫妻

できることは自分たちで、難しいことは力を借りて 何ごとにも楽しみながら挑戦する日々

    山ノ内町の玄関口、湯田中温泉エリアから車で15分ほど走らせた竜王スキーパークのふもとにある「P.N.M ピザのもりやま」。本場イタリアでの修行経験もあるご主人が腕を振るい、薪窯で焼き上げる手づくりの生地や具材にこだわりの詰まったピザ、そして本格的なイタリア料理やスイーツが評判で、連日地元の人やスキー客でにぎわいます。     オーナーは東京から移住してきた、森山陽介さん・貴世さんご夫妻。長野出身の陽介さんがあたためてきた「いずれは地元で開業を」という夢を山ノ内町で叶えました。   とはいえ実は、妻の貴世さんは移住には長く反対してきたそう。東京を離れることは、貴世さんが独学で苦労して築き上げてきたフードコーディネーターの仕事を手放すことになるから、と。 転機となったのは世間の営みが冷え込んだコロナの渦中。当時住んでいた都内の駅前から人が消え、仕事もストップし、家から出られない息苦しい日々を送る中で現状に疑問を覚えたことがきっかけです。それまで頑なだった「東京にいなくては」という気持ちが緩み、環境を変えて挑戦することに前向きになれたといいます。 「やりたいことがあるなら、今こそ挑戦してみよう」と、新たな一歩をお二人で踏み出しました。     森山ご夫妻が営む「P.N.M」は、畑付きの古民家をセルフリノベーションしたお店です。 最初は長野駅近くの市街地で開業を考えていたものの、ご縁がつながって立地も物件も個性的な、今のかたちとなったそう。 「空いた畑があるから、と同級生の誘いを受け初めての野菜作りに挑戦したことで、料理には自分の育てた野菜を使いたくなったんです。それで、畑ができる物件を探していたら、どんどん郊外や山の方にまで候補が広がっていって。この物件を見たら、一目で気に入りました。」数年前まで人が住んでいたというこちらの物件は、古いながらも状態が良く、お店をするイメージが鮮やかに浮かんできたとか。予想以上に山奥だったという立地にも納得して決断できたといいます。   もともとは居間や仏間、廊下に縁側などのあったという1階住居部分が、今では広々と開放的で明るい雰囲気のお店に。工務店さんの力を借りつつも、できるところは自分たちで作業を進めました。自分のお店を自分の手で、という想いとともに、できるだけ費用を抑える目的も。「改装にあたって、補助金(注)はとても助けになりました。申請手続きは工務店さんが詳しくて、難しかったけれどスムーズに行うことができましたね。」   家の歴史を支えてきた梁も補強をしながら、大切に活用しています   大幅に手を入れた1階の店舗スペースとは対照的に、2階の居住スペースはほぼそのままの形で暮らしているそう。「数年前まで人が住んでいたということで、内装も本当に綺麗で、そのまま住める状態だったんです。2階にもキッチンがあるという造りだったのも、この物件を気に入ったポイントでした。」とお二人。なんと、除雪機も物件購入の際に付いてきたというから驚きです。初めての冬を迎えて、雪の多さに「なるほど、除雪機が必要な訳だ。」と納得したそうです。後に住む人が困らないように、という先人の優しさが垣間見えました。   取材した日も雪が舞い、すっかり雪景色。雪が多かったという前年は、前の建物が見えないくらいに除雪した雪の壁が高くなったとか  

「空き家等再生事業補助金」 山ノ内町では、町内にて空き家等を活用した事業の改修費用や賃借料に対して補助金を交付しています。 ▶︎詳しくはこちら

  暮らし始めてからも、ご近所さんに助けられることばかりというお二人。 「帰ってくると、玄関先に野菜や果物が置いてあるんです。ご近所さんが作った野菜をお裾分けしてくれるんですね。それが、びっくりするほど美味しくて。まだ野菜作り初心者の私たちに、アドバイスもしてくれます。」 「ピザ窯で必要になる薪も、できるだけ自分たちで調達しているんですが、その事情を知ってりんご農家さんが軽トラに薪を乗せて持ってきてくれたこともあるんです。気にかけてくださって、ほんとうにありがたいですね。」 「屋根の雪は早く下ろさないと危ないと教えてくれたのもご近所さん。初めての冬を超えて春になった時、冬が辛くて嫌になってないか?!って心配されたりもしました。(笑)」 などなど、話してくださった幾つかのエピソードからも、地域の人たちのあたたかさが伝わってきます。   山ノ内町での暮らしは「ほんとうに、日々やることが多すぎて・・・!」と貴世さん。それでも、その口調はとても楽しげです。ピザを焼き、野菜を作り、薪を割り、生活をする。美味しい水と空気に満ち、人工音のない豊かな自然の中で送るそんな日常が、とても充実していることが伺えます。かつて暮らした東京とはまるきり異なるこの土地で、お二人らしく人生を動かしている姿が、とても眩しく、頼もしく感じられました。

地域の人と同じ目線で もっとこの地を盛り上げたい

店名である「P.N.M」に込められているのは「ピザのもりやま」ともう一つ、「ピザで長野を盛り上げる」という意味。山ノ内町に暮らしはじめてからは特に、自然が素晴らしく、ご近所の皆さんが良い方ばかりで愛着が湧き、もっと地域を盛り上げていきたい!という想いが一層強くなったそう。   そんなお二人の間でよく話題に上るのが、民泊をやってみたい、地域資源を生かしたい、ということ。 「海外資本のリゾート開発とかも流行っているけど、そういうのではなくて、ご先祖様から受け継いだ家を大切にしたいという地元の人や、地域に縁のある人たちと、地に足を付けてやっていきたいんです。今ある姿を生かして、改築ではなく、改装で。空き家をうまく活用できれば、移住してきた人も住む場所ができたり、人を呼ぶことにつながって、いい流れができるんじゃないかな、と。」   「それから、ここ須賀川地区のお野菜はほんとうに美味しいから、外の人に売るのもいいなと考えていて。でも、ご近所さんたちはみんな、売りたくないって言うんですよね。親しい人にあげるために作っているんだ、それが生きがいなんだって。そういう、近くの人を大切にする気持ちが芯にあるから、外から来た私たちも受け入れて優しくしてくれる。その気持ちを尊重しつつ、いい策がないかな、と考えを巡らせているところです。」 地域の活性化を思い描く中で、主役はあくまでも地元の人たち。いつでも手を差し伸べてくれる、懐の深いご近所さんたちと足並みをそろえてこの町を盛り上げていく、という新たな夢を持ったお二人から、ますます目が離せません。  

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